鵜飼とは、平安時代から続く伝統的な鮎漁です。その昔は貴族や武士が見物していたとか。漁をする鵜匠は、宮内庁所属の国家公務員である大膳職という役職についています。
私は名古屋在住37年目。近隣の長良川や木曽川でそういう伝統的な漁を見物できることは知っていましたが、遠くもなくすぐ近くというわけでもなく、微妙な距離でなかなか行ってみようという気にはなりませんでした。行われるのは「夜」ですしね。めんどくさいじゃないですか。泊まるほどの距離ではないし、日帰りで夜はね。私、鳥目ですし。(めがねをかけろ、ですね…)
…が、小さい頃から知っているY君が成長してお兄さんになって鵜匠の乗る船の船頭をしておりまして。子供達も含め、一緒のサークルに所属していた仲良しお母ちゃん3人組で鵜飼見物に行ってまいりました!
今回見学に行ったのは木曽川鵜飼です。犬山市内ですので、犬山観光もして参りました。犬山には明治村、リトルワールド、モンキーパーク、そしてもちろん犬山城など規模の大きい観光スポットもあるのですが、今回はちょっと隠れ家的な大人の旅(?)をして参りました。
まずは大縣神社へ。名古屋市から南北に走る名鉄小牧線の楽田駅からまっすぐ東に向かうと大きな静かな神社が現れます。町と山の境に鳥居があって、これから神聖な場所へ入っていくということを体感できます。ここには大縣神社、姫の宮、梅園、四季桜に囲まれた池(立派な鯉が口を開けて出迎えてくれます。エサが売られていましたが、すれ違ったおじさんからパンの耳を大量に分けていただけたので、3人で盛大にばら撒きました。鯉でも人間でも、ご飯を食べさせるってなんだか楽しい。嬉しそうに食べてくれると更に嬉しいものです)
姫の宮が女性を守ってくれる神様とのことで、特に念入りにお参りしました。基本的には安産とか恋愛成就の神様ですが、お年頃の私は心身の健康をお願いしました。お宮の裏に恋愛成就の池もあり、ここはなんだかちょっとブルっときたので強い波動があるのかもしれません。
イタリアンのランチでお腹いっぱいになったところなのに次はカフェへ。
『喫茶わん』は犬山焼きの窯元であり、お祖父様のお家(確か文化財に指定されていたような)を改装したカフェもご家族で運営しておられます。茶器はお父さんが焼いたカップで、好きなものを選ぶ事ができました。カウンターの照明の傘はお母さんが絵付けをしたもの。お嬢さんは笑顔で接客してくれました。素敵なカフェでしたし、お腹いっぱいと言いつつ甘いものは別腹な私たち。しっかりいただきました。たまにはいいのです。たまには?
そして満を持して鵜飼の船着場へ。長女(一番しっかり者の友人)がそこにいた船頭さんに「〇〇君はいますか?私たち3人は彼の母なんです」といきなり切り出しました。私たちと同年代と思われる男性船頭さんは「えっ?」と目を白黒させていました。いや、びっくりするやろ、あんた、そんなこと言ったら…お母ちゃんみたいなものです、の間違いでしょうよ…(と心の中で呟く私たち)
見物客を乗せる船と鵜匠が乗る船は別とのことでY君は別の場所にいたようでしたが、その後もその船頭さんは「ここの夕日をこの角度で陽が落ちる頃を狙って…」とか「船に乗るときは…」とか色々教えてくれました。私たち3人のインパクトが強烈だったらしく、最後まで気にかけてくれました。船頭さん、ありがとうございました。その後Y君にも会うことができまして、その後、多分私たちの舟から一番よく見える場所へ舟をつけて鵜飼を見せてくれました。Y君、ありがとう。
今年の鵜飼は10月15日までで、私たちが行った日は木曽川の夜鵜飼の最終日。川風が寒かったです。そんな真っ暗な川の上でお弁当を食べてから鵜飼が始まりました。暗い川面に松明を灯すことで、また、船頭さんの掛け声や櫂で船縁を叩く音で川底で寝ている鮎を叩き起こし、それを鵜が丸呑みにするという漁法です。鮎にとっては踏んだり蹴ったりなのですが、これがとっても面白い。首と羽を紐で結えられた海鵜たちが舟の進行方向(川下)に向かって泳ぎながら、時々チャポンと潜っては魚を捉えます。それを鵜匠さんが吐き出させる。ゆらめく炎や可愛い鵜たちや怪しくゆらめく川面に、日常を忘れ我を忘れてかぶりつきで見てしまいました。
こんな体験はなかなかできません。子供が見ても面白いとは思うのですが、これは大人の遊びかもしれませんね。戦国の武士たちも盃を交わしながら見ていたのかなぁと思うと感慨深いものがありました。百聞は一見に如かず。来年の夏にもまた開催されますので、ご興味のある方はぜひおいでくださいませ。後悔はさせませぬぞ。
ああ、最近夜に眠くなるのが早いし毎日色々あれやこれやあって、1週間前の話題を今頃書いております。日々のあれやこれやもおしゃべりしたい。ううう。静かな時間を取り戻すべく、今は体力つけてます。健康第一!
みなさまも夏の疲れが出る頃です。くれぐれもご自愛くださいませ。
では、私の長話にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
今日も一日お疲れ様でした。おやすみなさい。